オンラインストレージは今・・・

一通のメールが入った。「この度、2013年7月31日をもって、「クオンプ」のすべてのサービスを終了させていただくこととなりました。・・・・」

「クオンプ」は、株式会社リコーが提供するサービス名で、いわゆる「オンラインストレージ」と呼ばれているものだ。株式会社リコーと言えば、資本金1353億円、連結売上高2兆円に迫ろうとする大企業で、複写機、プリンターを始めとして多岐にわたる事業展開を行っており、特段、経営危機に瀕しているとも聞いていない。では何故、突然のサービス終了か?内容については定かではないが、ネット上でのコメントを拾って見ると次のような見方が出ている。

「オンラインストレージが、あちこちで開始された2010年代には人気の国産ストレージサービスだったが、最近は大容量化が主流になって利用者が激減していたようだ・・・」

quanpL.JPG私が、クオンプに関わりを持ったのが、ちょうど2年前の2011年の初め。後で書くが、ある目的があってお試しコース(無料版)に申し込んで少しの間利用させてもらっていた。しかし、ここ1年以上、ほとんど使うことなく忘れ去っていた。今回の件で、あわててオンラインストレージの中を見てみると、2年前にアップロードしたデータが、そのまま残っていたので、すべて削除した次第である。

2年前にオンラインストレージサービスを検討したいきさつは、次のとおり。

当時、事務所勤務3日、自宅勤務2日の体制で仕事を行っていた。仕事は、営業50%システム50%であった。このような中、事務所と自宅間での情報共有、PCのハードディスクのバックアップが問題となった。PCは、WindowsPCで、対象情報は、Word、Excelなどの営業関係情報から、〇△×システムの構造化されたデータ群まで多岐にわたり、情報量も相当なものだったと記憶している。(5G前後)

クオンプを含め3つの候補を挙げて、検討を進めたが当時の検討結果が残っていたので、そのまま次に掲載する。

*************オンラインストレージ(有料/無料)の試用&検討結果****************

a. Cocoa(OCN:別名「マイポケット」)無料なし、有料:300円/月、Max10G 結論:今回の目的から評価して、バックアップ機能が弱い①一度のバックアップに制限(1000File程度、10階層まで)②ファイル表現&ハンドリングで稚拙目立つ。特にフォルダーツリーは、降順表示で昇順表示ができない→バックアップ後の内容vsローカルPCの内容の突合せが大変やりにくい・・③バックアップできない形式が、けっこうある。データなしフォルダー、フォルダー名の制限etc

b. SafeSync(トレンドマイクロ)12月新発売、無制限、4980円/年 結論:十分試用できてないが、評価としては次のとおり。①Cocoaよりは、適していたが実績が無い・・②年間契約しかなくリスクが大きい・・③処理時間がかかりそう。毎回1時間以上はきつい・・

c. クオンプ(quanp : リコー)1Gから100G:無料から980円/月 結論:評価できない。フォルダー構成がとれない点が決定的

*************オンラインストレージ(有料/無料)の試用&検討結果****************

上記の数字は、当時のもので例えば、Cocoaは現在Max32Gとなっているし、逆にSafeSyncは、無制限でなくなり、20G:4480円/年となっているようだ。また、当時の制限事項でその後改善されたものもあるかも知れないが、調査し切れていない。ご容赦願いたい。

先に書いたネット上のコメントにもあったが、この手のサービスが昨今ますます増えたのと、大容量化が進んでいるようで、50Gまで無料といったサービスも出現している。

結局2年Folder1.JPG前は、オンラインストレージの利用をあきらめ、事務所にNasを導入し、FTPソフトとの組合せで初期の目的を何とかクリヤーすることができた。

あきらめざるを得なかったのは、検討結果にも書いているが、「毎日時間をかけずに、手軽にバックアップできて、複数拠点からその内容が共有できるか」の一点で、容量的には当時から問題なかった。「情報共有可能」とか「データバックアップ機能あり」など一見何でもできそうに思えるオンラインストレージサービスでも、よく調べてみると意外な制限があったり、パフォーマンス面でもやろうとしていることが意外に時間がかかったりする。

バックアップの対象が限定されている個人ユースの場合、例えばデジカメのフォトデータをバックアップする場合などは、あまり神経質になることもないと思うが、仕事で毎日広い範囲の情報を更新する場合のバックアップは、手軽に短時間に済ませることがどうしても求められる。フォルダーの階層に制限があったり、フォルダー名の命名に制限があっても、それに合わせることなどできない。

スマホ、タブレットの出現で、この手のサービスも大容量、多機能化を競い合っているようだが、どのようなソリューションを提供しようとしているのかを、明確にして売り込んで欲しい。利用者も提供者のこの辺の考え方が明確なもので、利用目的に合致するものを選ぶことが重要になってきたと感じている。